1.目的
本指針は、入院患者における褥療の発生予防および重症化防止を目的とし、適切な褥瘡予防対策を組織的に実施することを目的とする。
2.基本方針
- 1.褥瘡は予防が最重要であり、入院時から継続的なリスク評価を行う。
- 2.医師・看護師・管理栄養士・薬剤師・理学療法士等の多職種で連携し褥瘡予防対策を実施する。
- 3.褥瘡予防対策は、標準化された方法で実施し、記録を残す。
- 4.全職員に対し、褥瘡予防に関する院内研修を定期的に実施する。
3.褥瘡対策委員会
- 1.病院内に褥瘡対策委員会および褥瘡対策チームを設置。
- 2.委員会は月 1回開催し、褥瘡発生状況の把握、対策の検討、指針の見直しを行う。
4.褥瘡発生リスクの評価
- 1.入院時に全患者を対象として、褥リスクアセスメントを行い、ハイリスク者には褥療計画書を作成する。
- 2.状態変化時は速やかに再評価を行う。
5.褥瘡予防対策の実施
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1.体圧分散
・体圧分散寝具、マットレスを適切に使用する。
・体位変換は原則2時間ごとに行い、記録する。
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2.皮膚ケア
・毎日皮膚状態を観察し、発赤等の早期発見に努める。
・清潔保持および保湿を行い、皮膚トラブルを防止する。
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3.栄養管理
・栄養状態を評価し、必要に応じて管理栄養士が介入する。
・医師の指示のもと、特別な栄養管理を実施する。
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4.活動・リハビリ
・可能な範囲で離床・体動を促進する。
・理学療法士と連携し、活動性の向上を図る。
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5.排泄ケア
・失禁による皮膚障害を防止するため、適切な排泄ケアを行う。
6.褥瘡発生時の対応
- 1.褥瘡を認めた場合は、速やかに医師へ報告する。
- 2.DESIGN-R等を用いて褥瘡の状態を評価し、記録する。
- 3.治療およびケア計画を立案し、定期的に見直す。
7.指針の管理
- 1.本指針は院長の承認を得て運用する。
- 2.医療制度改正等に応じて、必要に応じ見直しを行う。
- 3.本指針は施設内掲示板のほか、ホームページにも掲載し、いつでも閲覧できるものとする。